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番外編宋さんのお友だち

ヘリコプターで派手に登場したから、きっとまた派手な出で立ちで颯爽と現れると思ったら、なぜかしゅんとしていた。 「元気なことはいいことだが五月蝿すぎる、隣近所への迷惑も考えろと、鞠家にみっちり注意されたんだ。未知と穣治に会わせないと言われれば大人しくするしかないだろ?まさに青菜に塩だ」 なるほどそれでか。 「オヒサブリ、デスネ」 後ろで手を組み、にこっと満面の笑みを浮かべる青年。どこからどう見てもマフィアの戦闘員には見えなかった。どこにでもいるごく普通の青年にしか見えなかった。 「どこかでお会いしましたか?」 青年とは初めて会うのに。お久しぶりと挨拶されるとは思わなくて一瞬ぽかんとしてしまった。 「俺越しにずっと後ろ姿を見ていたんだと。俺以外興味がないから眼中には入らなかったらしいが、器の大きいとても綺麗な人だということは予想していたらしい」 「そうなんだ。初めてまして未知です」 頭を下げると、穴が空くくらいじっと見詰められた。 「あ、あの……」 笑顔の下に隠された不気味さと底知れぬ恐怖に、恥ずかしいという気持ちが一瞬で吹き飛んだ。りんりんさんは敵に回していけない人かも知れない。思わず後退りすると、 「あんまりじろじろ見るな。ねえさんは恥ずかしがり屋なんだ。オヤジもそう説明したはずだ」 柚原さんが日本語のあとに中国語で話し掛けた。青年は両手をパチパチと叩き得真美《デァ ヂェンメイ》(美しい)と感嘆の声をあげた。 「それはオヤジだけでいい。穣治と会わせたら組事務所に案内させる」 りんりんさんを連れていく柚原さんと鞠家さん。

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