3950 / 4006
番外編宋さんのお友だち
「いて!」
ベシッと頭に一発お見舞いされて顔をしかめる山龍《シャンロン》さん。
「ねえさんを怖がらせた罰だ。それと……」
拳を振り上げる青空さん。
「まだあるのか?」
「ある」
「俺はない」
「二人とも喧嘩はだめです。お願いですから仲良くしてください。山龍さん、地竜さんからの手紙を届けていただき本当にありがとうございます」
両手で手紙を抱き締めてぺこりと頭を下げた。
顔を上げようとしたらカシャカシャとシャッター音が鳴った。
「あるだろ?隙あれば盗撮しようとする、それだ」
「俺は悪くないもん。文句はボスに言ってくれよ。青空が叩いたってボスに言いつけてやるからな」
「勝手にしろ。この盗撮魔。せっかく唯一まともな部類に入ると説明してやったのに。撤回するぞ」
「それだけは駄目」
青空さんと山龍さんは仲がいい。まわりの目もはばからずイチャイチャするカップルみたいだった。
「青空さんが友だちを連れてくるのが初めてで、まだ緊張していますが。青空さん、良かったですね。友だちに久し振りに会えて。仲のいいお二人を見て、なんだか僕まで嬉しくなります。あ、でも、尊さんと蜂谷さんに焼きもちを妬かれないようにしてくださいね」
何か変なことを言ったかな?
青空さんがギクッとしていた。
「お茶、持ってきますね」
逃げるようにそそくさと台所に向かった。
ともだちにシェアしよう!

