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番外編宋さんのお友だち
「うわぁ~~びっくりした」
台所に入ったら誰かの背中にぶつかった。見上げるくらい広くて大きい背中だ。とおせんぼしていたのはりんりんさんだった。迷子になったのかなと最初は思ったけど。すごく不機嫌そうな表情を見て、山龍さんが言いつけを守らず勝手に僕に会ったことに対して怒っているのだと思った。
キョロキョロとあたりを見回したけど誰もいなかった。
柚原さんに電話を掛けて来てもらおうと携帯をポケットから出そうとしたら、
「ねえさんなじょした?」
弓削さんが駆けてきた。
「こだ狭い所に隠れて。おめさんのことをカシラたちが探していたぞ。きめっこしてもしょうがねぇべした。手紙を忘れてきたおめさんが悪い。たまには部下に花を持たせてやれ」
手紙?もしかして、これのことですか?
山龍さんから渡された手紙を見せると、ムスッとした表情になった。
「自分がボスから直々に頼まれたのに。なんでおまえが渡すんだよ。頼まれてないだろう。とまぁ、こんなくだらない理由で機嫌が悪いんだろ?お前もりんりんもいい年して。中身はガキだな。そんなんでボスを守れるのか?」
言葉は通じていないけど、りんりんさんが片方の頬っぺに手をおいて、うっとりとした表情を浮かべ、芫と小さく、呟いた。
「その名前、兄貴の前でもう一度口にしたらぶっ殺すぞ。二度と口にするな!」
ヤスさんが眼をつり上げてりんりんさんの胸ぐらに掴みかかった。
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