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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「そんなことを言うのにこんな田舎にわざわざ来たのか?」 伊澤さんが顔を出した。 「おやっさん……」 若い警察官が慌てて立ち上がり頭を下げた。 「久し振りだな。元気だったか?」 「はい」笑顔で答える若い警察官。上司の警察官が憮然とした表情でごほんとわざとらしく咳払いすると、ばつが悪そうな顔をして慌てて座った。 「こんなところで油を売っている暇があるならさっさと国井を探しにどうなんだ?すでに事切れているのに銃で蜂の巣にした、相当深い恨みがあると書いてあった。国井も瀕死の状態で生死の境をさまよっているはずだ。楽せず足で稼いだらどうだ?」 「やかましい。この裏切り者!俺に指図をするな!」 ドンと強くテーブルを叩く上司の警察官。 「短気は損気なのに、気が随分とまぁ短い上司だ。国井が日頃から苦労しているのが目に見えるようだ」 ずずっとお茶を啜る柚原さん。 彼に大至急来いと呼び出され、伊澤さんと一緒に来てくれた。組事務所に置かれたみまもりカメラの映像がリアルタイムでパソコンに写し出されていた。りんりんさんは柚原さんの隣に立ち、短く言葉を交わしながらその映像を興味深そうに見ていた。 和気あいあいと仲が良さそうに見えるけど、りんりんは緊張して顔が強張っていた。 「ぱぱたんの顔とはまるっきし違うからな。どっちが本当の柚原か分からないからそりゃあ戸惑うのも無理がない」 森崎さんがインスタントで悪いな、と言いながらコ―ヒ―が入った紙コップを二人の前にそれぞれ置いた。

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