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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

焦ったような顔をするりんりんさん。慌ててズボンのポケットに手を入れた。 「そこに入っているのは普通のボールペンだ。そういえばこんなのもあったな」 青色の薬瓶を置く柚原さん。 りんりんさんの顔が真っ青になった。 「ボールペンの形をした銃と自殺用の……恐らく青酸カリだろう、これ。お前な、こんな危ないものを持って小さい子どもがいる家に来ては駄目だろうが。ボールペンかと間違って手にして暴発したらどう責任をとるつもりだ。それとこれもだ。間違って子どもたちが口にしたらどうなるか、考えてみたら分かるだろう」 「相変わらずすげえな。いつの間にすり替えたんだ?」 舌を巻く森崎さん。 「彼が家に来たときからぷんぷん匂っていた。警戒心マックスで一切隙を見せなかったが、オヤジに甘えている時は隙だらけで気づくわけないよな」 「犯罪者の匂いを嗅ぎわけるとはな。さすがは柚原だ。犬並みの嗅覚は伊達じゃないな」 参ったな。うまく誤魔化せていると思ったのに。やはり誤魔化せきれなかったか。ふふっとりんりんさんが自嘲気味に笑った。 「ボスに誰を殺せと命令されたんだ?莫か?それともシェドか?」 りんりんさんは固く口を閉じて押し黙った。 「フ―みたく変装しているんじゃないか?」 アイツと一緒にしてもらっては困る。りんりんさんが森崎さんを睨み付けた。 「柚原、何て言ってるんだ?」 「国井が莫の手にかかり命を落とすくらいなら、ひと思いにトドメをさすつもりだった」 「よく思いとどまったものだ」 「オヤジの顔が浮かんだそうだ」 「普通はボスだろう」 森崎さんがクククと笑った。

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