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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
その頃、山龍さんも隠し持っていた薬瓶を橘さんに見つけられていた。
「いつから死神は失敗したら死ねと教育をするようになったんですか?生きてさえいれば反撃のチャンスはいくらでもありますよ。死神という組織の名前に反する行為だと思いませんか?」
「俺たちには失うものがない。天涯孤独の者がほとんどだ」
「だからといって生きることを諦めたらそこでゲームセットですよ」
「じゃあ、どうしろというんだ?」
「俺みたく生き恥を晒してでも生きるしかないだよ。それが死んだ多くの仲間たちへの弔いになる。少しは糖分を補給しろ」
青空さんがふらりと現れて。山龍さんに棒つきのキャンディーを渡した。
「ガキじゃない」
「そうか?俺には駄々をこねてわめき散らすガキにしか見えないぞ」
「お前にだけは言われたくない」
ぷいっとそっぽを向く山龍さん。ぺろっと一口飴を舐めると、
「……懐かしいな、この味……」
それまで眉間に皺を寄せて小難しい表情を浮かべていた山龍さんが相好を崩した。
「凌暁《 リン・シャオ》……ボスが名付けたアイツ《りんりん》名前だ。アイツの狙いはクニイのボスだ」
「ボス、ということは上司ですか?」
「あぁ。ウヅキと似ても似つかないがな」
その言葉にピンと来る橘さん。
「つまりは遥琉の偽者ということですか?」
「そういうことだ」
ちょうどその時、山龍さんの携帯電話が鳴った。
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