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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「人は肉体的にも精神的にも追い詰められると何をしでかすか分かりませんからね。偶然にしては話しが上手すぎると思いませんか?」 「被害者たちが菱沼金融に押し掛けるように仕組んだヤツがいるということか」 「なにも菱沼金融でわざわざ事件を起こす必要がないだろうに。正々堂々とやればいいのにな。四季が無事ならそれでいいが……」 青空さんが心配そうに空を眺めた。 「ヤスさんはこのことを知ってるのですか?」 聞くのも怖かったけど僕も四季さんのことが気がかりだった。走ってすぐには逃げられない。ましてや出口を塞がれたら……。最悪の事態が脳裏を過った。 「さっき連絡があってハチと一緒にすっ飛んで行った。オヤジが嫌な予感がすると言ったらしく、慶悟に頼んでなるべく人が多くいるところに連れて行ってもらった」 「じゃあ無事なんですね」 「あぁ。デパートで買い物をしている。慶悟のヤツ、四季の娘たちに服をプレゼントしたいと自分から言ったそうだ。小遣い程度しかもらっていない癖に無理しやがって」 「でもそこが慶悟さんのいい所ですよね。めんどくさいと言いながらも後輩想いで、面倒みがよくて。とても優しい人ですよね」 「ツンケンしているのが玉に瑕だが悪いヤツじゃないは確かだ」 慶悟さんが入って来て一番喜んだのは青空さんとミツオさんだ。やっと後輩が出来たと手放しで喜んでいた。

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