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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「行ったり来たり、うすらかすらして。おめさんは何してんだ?」 弓削さんが携帯を握り締めるチカちゃんに声をかけた。 「おやっさんが無事か心配で……」 「伊澤はそう簡単には死なない。おめさんが一番分かることだろ?」 「それはそうなんだけど……」 「にしてもこだ近くにまさかオヤジの偽者がいたとはな」 「不祥事続きで上層部は今頃青くなってるわよ。宗教絡みなら闇は深そうだし」 「そうだな。膿はまだ出しきれてないのかもな。チカ、山龍が目のやり場に困るからそれとは違う服はないのか?臍を出して。それに足も出しすぎだ」 「臍?足?」 きょとんとして下を見るチカちゃん。 「スカートの丈が短すぎる。それでは腹も足もひえっぺした」 「冷えないわよ。臍だしルックもミニスカートも。これが今の流行りなの」 「嘘こくな」 「嘘じゃないもん。ハルお兄ちゃんに弓削がアタシをいじめるって言いつけるわよ」 「誰もいじめてねぇべ。おめさんが心配なだけだ」 二人のやり取りを山龍さんは唖然として眺めていた。 「見ていて飽きないだろ?」 「居心地がいいからボスが帰りたがらないのも納得した」 「確かにずっといるもんな、お前のところのボス」 「帰ってきてボスとラブコールをしても無視だし、宋なんかすっかりここが気に入って、入り浸っているし。邪魔ならさっさと追い出していいぞ。俺が許す」 「会わないうちに偉くなったな」 「凌暁の子守りより、ボスの子守りのほうが何倍も大変だがな」 青空さんと山龍さんが笑いながらそんな会話を交わしていた。 地竜さんきっと今ごろくしゃみをしているだろうな。

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