3965 / 4006
番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「行ったり来たり、うすらかすらして。おめさんは何してんだ?」
弓削さんが携帯を握り締めるチカちゃんに声をかけた。
「おやっさんが無事か心配で……」
「伊澤はそう簡単には死なない。おめさんが一番分かることだろ?」
「それはそうなんだけど……」
「にしてもこだ近くにまさかオヤジの偽者がいたとはな」
「不祥事続きで上層部は今頃青くなってるわよ。宗教絡みなら闇は深そうだし」
「そうだな。膿はまだ出しきれてないのかもな。チカ、山龍が目のやり場に困るからそれとは違う服はないのか?臍を出して。それに足も出しすぎだ」
「臍?足?」
きょとんとして下を見るチカちゃん。
「スカートの丈が短すぎる。それでは腹も足もひえっぺした」
「冷えないわよ。臍だしルックもミニスカートも。これが今の流行りなの」
「嘘こくな」
「嘘じゃないもん。ハルお兄ちゃんに弓削がアタシをいじめるって言いつけるわよ」
「誰もいじめてねぇべ。おめさんが心配なだけだ」
二人のやり取りを山龍さんは唖然として眺めていた。
「見ていて飽きないだろ?」
「居心地がいいからボスが帰りたがらないのも納得した」
「確かにずっといるもんな、お前のところのボス」
「帰ってきてボスとラブコールをしても無視だし、宋なんかすっかりここが気に入って、入り浸っているし。邪魔ならさっさと追い出していいぞ。俺が許す」
「会わないうちに偉くなったな」
「凌暁の子守りより、ボスの子守りのほうが何倍も大変だがな」
青空さんと山龍さんが笑いながらそんな会話を交わしていた。
地竜さんきっと今ごろくしゃみをしているだろうな。
ともだちにシェアしよう!

