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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

標的(タ―ゲット)を蜂の巣にするのが相変わらず好きな男だ。ある意味変態だな。俺も人のことが言えないがな」 ぼそぼそと一人言を口にする宋さん。 「あの、大丈夫ですか?」 「救急車呼びますか?」 通行人が声を掛けてきた。 「だって血が」 「血?」 言われて作業着を見るとべったりと血がついていた。歩道にはぽたぽたと血が滴ったあとが点々と残されていた。まだ乾いていないから莫さんのものに間違いなさそうだった。 「これは俺の血じゃない」 (怪我をしている?いや、まさかな。失敗したことがない完璧主義のアイツに限ってあり得ない。返り血だろう。でもな……もしかして柚原か? いや、彼はほとんど組事務所にいない。オヤジに呼び出されれば別だが。凌暁は集中力が足りないから手がぶれる。柚原みたく精密なフォームで撃てない。やはり柚原だ。見てみたかったな、銃をぶっ放す姿。ヤツの射撃の腕は天下一品だ。百発百中。的を外したことがない。専業主夫にしておくのは非常に勿体ない男だ。ヤバい興奮してきたぞ) ふふふと思わず笑みが溢れた。 「通報した方は?」 (誰だ警察を呼んだのは。いいところだったのに。興ざめだ。まずい、逃げるタイミングを完全に逃した) 宋さんは逃げるにも逃げられず。駅前交番まで同行を求められ事情を聞かれることとなってしまった。

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