3977 / 4006
番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「蜂の巣にするのが好きね、相変わらず悪趣味ね」
「蜂の巣にするのが好きな人ですね、相変わらず悪趣味ですね」
チカちゃんと橘さんの声が見事にハモった。
「あら、もう、やだ~~」
「私もいやですよ」
「そういう意味でのやだ~~じゃないわよ」
「分かってますよ。紗智さん、ちょっと携帯を借りますね」
「いいよ」
紗智さんが橘さんに携帯電話を渡した。
「夏休みとはいえ、平日にも関わらず野次馬がすごいですね。中学生と高校生ですかね、若い人が多いですね。まるでこれから殺人ショーを行いますとネットであらかじめ予告したかのようですね」
「シェドと黒竜に歯向かったらこうなると見せしめの為に?」
「えぇ、そうです」
「あ!この人!」
携帯電話を掲げる野次馬の中に誰かを見付けたみたいだった。
「目がいいですね」
「視力だけはね。千里みたく恋のお悩み相談だけは無理だけどね」
ウィンクするチカちゃん。
「宋さん、山龍さんですよね?」
野暮ったい黒ぶち眼鏡をかけ、マスク姿の紫髪の長髪の男を指差す橘さん。
「答えないと駄目か?よく見てみろ、隙だらけだから背後から狙われる。頭が吹っ飛ぶだけじゃない。ここにいる人も巻き込まれるだろうな。チカ、こんな状況でも守り切れるか?死ぬ覚悟はあるか?」
冷静沈着な宋さんが静かにそう問い掛けた。
ともだちにシェアしよう!

