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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「蜂の巣にするのが好きね、相変わらず悪趣味ね」 「蜂の巣にするのが好きな人ですね、相変わらず悪趣味ですね」 チカちゃんと橘さんの声が見事にハモった。 「あら、もう、やだ~~」 「私もいやですよ」 「そういう意味でのやだ~~じゃないわよ」 「分かってますよ。紗智さん、ちょっと携帯を借りますね」 「いいよ」 紗智さんが橘さんに携帯電話を渡した。 「夏休みとはいえ、平日にも関わらず野次馬がすごいですね。中学生と高校生ですかね、若い人が多いですね。まるでこれから殺人ショーを行いますとネットであらかじめ予告したかのようですね」 「シェドと黒竜に歯向かったらこうなると見せしめの為に?」 「えぇ、そうです」 「あ!この人!」 携帯電話を掲げる野次馬の中に誰かを見付けたみたいだった。 「目がいいですね」 「視力だけはね。千里みたく恋のお悩み相談だけは無理だけどね」 ウィンクするチカちゃん。 「宋さん、山龍さんですよね?」 野暮ったい黒ぶち眼鏡をかけ、マスク姿の紫髪の長髪の男を指差す橘さん。 「答えないと駄目か?よく見てみろ、隙だらけだから背後から狙われる。頭が吹っ飛ぶだけじゃない。ここにいる人も巻き込まれるだろうな。チカ、こんな状況でも守り切れるか?死ぬ覚悟はあるか?」 冷静沈着な宋さんが静かにそう問い掛けた。

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