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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「たいくん、いいな~~」
「みゆちゃんもにいににだっこする」
遥香と幸ちゃんがいの一番に駆けてきて。
「いちたおにいちゃん、ぼくもだっこ」
一太が大好きな未来くんがトコトコとやって来て、
「なぁ!」奈梛ちゃんもめぐみちゃんと一緒に読んでいた絵本を置いて慌てて走ってきた。
「僕は体がひとつしかないのに。誰か、助けてよ」
チビッ子たちからひっぱりだこの一太。嬉しい悲鳴をあげていた。
「あれ?ここちゃんはおにいちゃんって行かないんだ」
心望がヨチヨチと歩いてきて、橘さんの足にぎゅっとしがみついた。
「こういう時しか私を独り占めできませんからね」
「よく分かってるじゃないの。なかなか賢いわね」
チカちゃんが前屈みになり心望の頭を優しく撫でてくれた。
「ボスラブのライバルが多ければ多いほど俄然と燃えるタイプだがな、俺は。でも、これからは心望を少しは見習わないと駄目だな」
宋さんが苦笑いを浮かべた。
「その台詞、信孝さんにも聞かせてあげたいです」
「信孝!?あぁ~~アイツな」
何を思い浮かべたのか宋さんがブプッと急に笑い出した。
「あぁ~~アイツな、で悪かったな」
憮然とした表情を浮かべる信孝さん。
いつからそこにいたんだろう。全然気づかなかった。
「子どもを迎えに来たらたまたま聞き捨てならない台詞が聞こえてきたんだ。宋、仲間をこのまま見捨てるのか?相も変わらず血も涙もない冷酷で無慈悲な男だな」
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