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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「晴、未来、ナオパパが待っているから家に帰ろう」
「いやだ」
「きょうもおとまりする」
「パパひとりでかえって」
断固拒否の晴くんと未来くん。
「ままたんにまもってもらおう」
「うん、そうしよう。だってままたん、さいきょうだもの」
ヒソヒソと内緒話をすると、橘さんの足に抱きつく二人。
それまでご機嫌だった心望。頬っぺたをこれでもかと膨らませると橘さんの服にぎゅっとつがみついた。
「ここちゃんが一丁前に焼きもちを妬いてる。可愛い~~」
チカちゃんが甲高い声でそう口にすると、パチンと両手を叩いた。
「ままたんは人気者ね」
「遥琉の足元にはとうてい及びませんがね」
「ねぇ、ここちゃん、チカちゃんって来る?お庭をお散歩してこようか?」
チカちゃんが両手を差し出すと、ぷいっとそっぽをむいてしまった。
「あらあら、困ったわね。フラれちゃったわ、未知、ヘルプ」
チカちゃんに手招きされた。
「もしかしてひまちゃん起きた?あら、やだわ~~泣いてるじゃないの。ぜんぜん気づかなかった。こっちのことは心配しなくていいわよ」
「子どもたちのことお願いします」
ぺこりと頭を下げて陽葵のところへ急いだ。部屋に入ると、
「ねえさんのところに連れていこうと思っていたんだ。ちょうど良かった」
柚原さんが陽葵を抱っこしてあやしてくれていた。
「いつ戻ったんですか?」
「三十分前だ。りんりんから逃げてきた。カミさん一筋だと言ってるのにやたらと熱い視線を送られてな。参ったよ」
柚原さんがため息をついた。
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