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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「鳥飼さんが帰って来たって子どもたちから聞いて。いてもたってもいられなくて。ごめんなさいね、邪魔しちゃって」
「邪魔はしていない。国井の怪我の具合とかいろいろ聞きたいだろう。鳥飼のことを連れていっていいぞ。奈梛はおじいちゃんっておいで。お兄ちゃんとお姉ちゃんたちのところに行こう」
右手を差し出すとニコニコの笑顔でその手を握った。
「おっかしい」
ププッとチカちゃんが笑いだした。
「だって自分からおじいちゃんって言うんだもの。普通はおじちゃんじゃないの?」
「みんな孫みたいなもんだろ?あながち間違ってはないはずだ」
「まぁ、そうだけど。でもおじいちゃんはまだ早いわよ。ハルおじいちゃんでいいんじゃないの。奈梛もそう思うわよね」
奈梛ちゃんの顔を覗き込むチカちゃん。
「奈梛が怖がっている」
鳥飼さんが慌てて声をかけた。
「失礼しちゃうわ。それってもしかしてアタシの顔が怖いってこと?」
「そうは言っていない。最近人見知りをするようになったんだよ」
「あら、そう。いい傾向じゃないの!」
ぱちんと両手を叩くチカちゃん。
「いい傾向なのか」
鳥飼さんが不思議そうに首をかしげた。
「そうよ。行くわよ、時間がもったいないわ」
チカちゃんが鳥飼さんの手を掴むとそのままぐいぐいと引っ張っていった。
「そだあぶねぇモン出すなって言ってぺした。おめさん何回言ったら分かるんだ?」
ドキッとして振り返ったのはりんりんさんだった。
「こだ所に座っていたら車さ轢かれるぞ」
「その前に不審者がいると通報される。頼むからご近所さんに迷惑をかけないでくれ」
駐車場の縁石に座り銃を眺めている野郎がいます。見るからに怪しいです。声をかけても無視されます。若い衆から報告を受け弓削さんとヤスさんが様子を見に向かうとりんりんだった。
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