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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「柚原を呼んでくれ」
警備担当の若い衆に頼むとりんりんの隣に腰を下ろした。
「夜になってもムシムシするな。山龍のことが心配で様子を見に来たというところか?山龍は無事だ。あのくらいで済んだのが奇跡みたいなもんだ」
りんりんさんが手に握っていた銃を弓削さんに差し出した。
「兄貴、受け取っては駄目です。何を企んでいるか分かりませんよ」
「コイツは芫とは違う」
「でも……」
「なんでまた血がついた弾を持ってんだ?これは山龍を撃った銃と弾か?」
りんりんさんは押し黙ったまま何も答えなかった。
それから十分後。若い衆と一緒に現れたのはウ―さんと那和さんだった。那和さんはウ―さんの背中に隠れていた。
「柚原さんは子どもたちと風呂中でして、紗智に頼もうとしたんですが旦那が焼きもち妬きなので避けたほうがいいとなって、それで那和とウ―に……」
若い衆がビクビクしながら言葉を継いだ。
「そうか。分かった。呼んできてくれてありがとう」
にっこりと笑むと若い衆の表情が緩んだ。
ウ―さんの顔を見るなり大きなため息をつくりんりんさん。なんでため息をつくんだよ。ムスッとして睨むと、ハハハと膝を叩いて笑いだした。
幸せそうな顔をしやがって。羨ましい。そういうお前もそろそろ遊びをやめて身を固めたらどうだ?束縛されるのが苦手だ。どの口で言ってんだか。ウ―さんが苦笑した。
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