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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「りんりん黙って」 「まだ何も言ってないだろ?」 「これから言うの。駄目だよ、余計なことを言っては。火に油を注がないでよ。ひとつ忠告、弓削さんを怒らせると怖いよ」 「芫のことはもういい。過ぎたことを今さらぐだぐだ言ってもしょうがねべした」 「そう思っていないのが後ろにいるよ」 「後ろ?」 那和さんに言われて振り返ると、毒蛇のような殺気立つヤスさんと目があった。 「おめさんはほんにめんげえな―。ほんに変わってねぇな」 自分のことのように怒りを露にするヤスさん。それが嬉しくて嬉しくてたまらなくなる弓削さん。 「ヤス、頭に生えた角をしまえ」 「でも……」 「りんりんだったんだよ。芫を始末してくれたのは……面倒をかけたな。そう伝えてくれ」 「分かった」 那和さんがりんりんさんに弓削さんの言葉を伝えると顔一面に満悦らしい微笑みが浮かんだ。 「ボスの命令だから嫌々従ったのみで、本当はバ―バから命令されたかった。非常に不愉快だって。バ―バが好きなんだねりんりんは」 「筋金入りのオヤジフェチだからな。この際だ、ボスの舎弟になったらどうだ?」 「兄貴、それ本気で言ってます?」 ヤスさんの表情がみるみるうちに変わっていった。 「冗談だ。そだおっかねぇツラすんでねぇ―」 ちょっとやそっとのことでは動じない弓削さんがたじたじになっていた。

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