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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「縛らないの?」 「そういう意味で言ったんじゃない」 「じゃあどういう意味で?」 有無言わさぬ雰囲気でぐいぐいと迫られ、思わず後ずさりするヤスさん。 「近い」 弓削さんがドスのきいた低い声で男を制した。 「おめさんが用があるのは俺だろ?ヤスは関係ねぇべした。俺のめんごいしゃでをいじめないでくれ」 「弓削兄貴……」 兄貴、俺のことを守ってくれるんですね。めんごいしゃでってマジで嬉しいです。ヤスさんの目がキラキラと輝いた。 「ふぅ~~ん。なるほどね。そういうことね」 顎に手をおく男性。 「見世物じゃねぇぞ」 「知ってる。ただ見てるだけ。飽きないね君たち。いつまでも見てられるわ」 弓削さんに睨まれようが何を言われようがまったく動じない男性。余裕の笑みを浮かべた。 りんりんさんが目をつり上げて男性を睨み付けた。 「りんりんさ、可愛い顔が台無しだよ。それじゃ嫌われるよ大好きなハルに」 何者なんだ、コイツ。ただ者ではない。若い衆がひそひそと話し話しはじめた。 「ただ者ではない。褒め言葉として有り難く受け取っておく。りんりん、山龍の治療はとっくに終わってる。さっさと帰るぞ」 左手を差し出すとりんりんさんはプイッとそっぽを向いた。 「山龍は飴に釣られるのに。おかしいな」 「みんながみんな甘党とは限らないだろ」 ヤスさんが答えると、 「そうか?」 首を傾げながら男性が手に持っていた白い飴をぽんと口のなかに入れた。

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