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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「これ、これ。懐かしいな。久し振りに舐めたが相変わらず旨い」
目を細める男性。
「ぶっきり飴か。おめさんここ出身か?」
「想像に任せるよ」
ふふっと不適な笑みを浮かべる男性。
どうしても今すぐ帰りたい男性と、彼に会ってから帰りたいりんりんさん。意見が合わずコントみたいなやり取りを延々と繰り広げていた。そうこうしているうち山龍さんがやってきた。開口一番「おぃ、そこのバカップル」と目をつり上げ声を荒げた。
「変わり者が多いですね、兄貴」
「あぁ、ボスに似てな。触らぬ神に祟りなしだ。ほっとくのが一番だ。ヤス、オヤジを出迎える準備だ」
「はい、兄貴」
弓削さんのあとを嬉しそうについて歩くヤスさん。スキップするかのように足取りが軽い。
おぃ、俺を置いていくな。とでも言ってるのかな?りんりんさんが慌てて二人のあとを追いかけた。袖をツンツンと引っ張り困ったような表情でウ―さんを見る那和さん。
【戻ろう。疲れた】
ウ―さんが大きく頷いた。
「おぃ、テメェ―」
「ウヅキの目は誤魔化せない。隠し通せない。無理だ」
「うまくいっていた」
「そう見えるだけだ」
男性が黒光りする門扉をふと見上げた。
「ボスが愛する人と、命の恩人に会えた感想は?」
「特にない」
「相変わらず可愛げがない男だ」
「うるさい。お前にだけは言われたくない」
プイッとそっぽを向く男性。
「近所迷惑になるから静かにする。お前ら最低限のマナーも知らないのか?」
那和さんとウ―さんと入れ違いに現れたのは鳥飼さんだった。
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