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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「俺には焼きもち妬きの亭主がいるんだ。あらぬ噂を立てられても困るからな」 「まさかアイツとくっつくとはな。アイツから結婚したと送られてきた写真を見たときはビックリしたわ。顔を五回も確認した」 「中年のさえないオッサンより、若くて綺麗な姉ちゃんの写真が見たかったよな。それは悪いことをした」 「いや、悪くない。アイツは年上で強くて厳つい男が好きを公言していたから相手がアンタで良かったよ」 男性がニヤリと笑った。 「鳥飼が昔馴染みに会ったと聞いたが本当か?」 出迎えてくれた幹部たちと笑顔で短く言葉を交わすと弓削さんにそう聞いた。 「はい、事実です。ただ本人は否定していますが」 「フ―も人が悪い。知っている癖になんで今まで黙っていたんだ?」 「誰かさんと同じで焼きもちを妬いて暴走するのが分かっているからじゃないですか?」 「誰かって俺しかいないだろ」 彼がクスリと笑った。 「なんだ置いていかれたのか?」 暗がりの中ポツンと立つりんりんさんの姿を見つけた彼。 忘れ物でもしたのか?彼の後ろにいた鞠家さんが中国語で話し掛けるとぱぁ~っとりんりんさんの表情が明るくなった。 「なんて言ってるんだ?」 「ハグさせろと」 「ハグ?お前も信孝と同じでハグ魔なのか。しょうがねぇな。一回だけだぞ。ほら、来い」 あたりをキョロキョロと見回して信孝さんがいないことを確認してから彼が両手を広げるとりんりんさんは嬉しそうに彼の胸元に飛び込んでいった。鼻を寄せてくんくんと匂いを嗅いで恍惚の表情を浮かべていた。

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