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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「相手ね……」
やれやれとため息をつく鞠家さん。
「そんなに嫌か。俺といるのは」
しゅんとする宋さん。
「嫌じゃない」
「嘘こけ。名前を呼んだろ?」
「そういう訳で呼んだんじゃない」
「じゃあどういう訳だよ」
目の前で繰り広げられる光景に若い衆が呆気にとられていた。
「カシラと宋がいちゃついている」
「仲良しだったんですね」
「そんな訳あるか。俺は紗智一途だ」
「またまた」
ニヤニヤと笑いながら鞠家さんに顔をぐいぐいと寄せる宋さん。
「宋、顔が近いぞ」
鞠家さんが宋さんをキリッと睨むと、
「鞠家って男受けする顔をしているよね。ヤバイのわんさかいるから気を付けたほうがいいよ。自分の尻は自分でちゃんと守らないと」
「お前にだけは言われたくない」
「俺って優しいから忠告してあげてるのに。残念だ」
「分かった。有難く受け取っておく」
宋さんが相手だとどうも調子が狂う鞠家さん。深いため息をついていた。
「鳥飼の舎弟のこと、知っていたのか?」
「それに関してはノーコメントだ」
「フーが焼もちを妬いて暴れるからか?」
「まぁ、そういうことにしておいてくれ」
宋さんが去り際にさり気無く鞠家さんのお尻を撫でた。
「宋てめぇー」
眉をきゅぅっと顰める鞠家さん。
してやったりといわんばかりににんまりと笑う宋さん。
「だからさっき忠告したろ?隙だらけだ。なかなかいい尻をしている。紗智には勿体ないな」
「カシラを挑発して何がしたいんだお前は」
弓削さんが二人の間に割って入った。
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