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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「優璃、腹減ったぞ。あれれ、珍しいな」
「人の女房を名前で呼ぶな」
「じゃあ、ままたんはいいんだな?」
「それも駄目だ。橘と呼べ」
嫌がる鞠家さんと腕を組み現れたのは宋さんだった。
「今日も朝からなにも食べていないんですか?」
「土産にもらったクッキーとコーヒーだけだ」
「ちゃんと食べないと体を壊しますよ」
「なんか一人暮らしだとめんどくさくて。それに一人だと味気ないだろ?」
「柚原さんとおにぎりを食べていてください。急いでなにか作りますから」
「アタシも手伝う」
チカちゃんが立ち上がろうとしたら、
「座ってろ」
宋さんが止めた。
「あのね」
チカちゃんがジロリと宋さんを睨むと、
「国井が帰ってきたらチカの手料理を食べさせてくれ。楽しみに待っている」
ニヤリと笑った。
「宋、いい加減離せ」
「卯月に俺の子守りを頼まれたんだろ?最後まで面倒をみてもらわないと困るぞ」
「困るのはお前じゃなくて俺」
「ちょっといい感じじゃないの、いつの間にそんなに仲良くなったの?ラブラブじゃないのそこのお二人さん」
「チカ、煽らないんだ。収拾がつかなくなる」
「紗智に見つかったら大変だもんね」
チカちゃんが愉しそうに笑った。
橘さんと手分けして握ったおにぎりがあっという間に柚原さんと鞠家さんと宋さんの胃袋のなかへと消えていく。
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