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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「あらもう帰るの?」
「彼氏を待たせているからな。怒られる」
「若林さんとラブラブでいいなぁ」
「若林ではない」
「違うの?早速浮気?」
「断じて浮気ではない」
「バレなきゃいいって思ってない?よその男とこそこそ会っててもいいけど、悪いことはすぐバレるわよ。恋する男子は鼻がとにかくきいて、なかなか鋭いわよ」
「ワカがおっかねぇのは俺が一番よく知っている。莫に動きがあったと連絡が入ったんだ。アイツに手負いの怪我を負わせたヤロウがいるらしい。柚原、お前なら何か知っているんじゃないか?」
「なんで俺に聞く。俺は子供たちを風呂に入れるために寄り道せずに真っ直ぐ帰ってきた」
「目撃者によると信号待ちしていた車から発砲したと。心臓を狙えばいいのに、なんで外したんだ?お前らしくない。それともわざとか?」
「だから俺じゃないって」
柚原さんは笑って否定していたけど、宋さんはこれっぽっちも納得していなかったようだった。
「じゃあお前以外誰がいるんだ?」
「よその組の者じゃないのか?宋、オヤジに一言挨拶してから帰れよ。ねえさんは子どもたちを寝かし付けているだろうから」
「俺だけでなくアイツらにも飯を腹一杯食わせてもらって感謝している、そう言えばいいか?」
「あぁ」
「なんか話しを逸らされたような……」
「気のせいだ」
柚原さんがニカッと笑った。
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