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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「奈椰ちゃんにもう二度と悲しい思いをさせたくない。鳥飼さんとフーと家族になって、これから幸せになるのに」
「その件も含め鳥飼にはこれから説明する。子どもは全員組にとって宝物だ。何があっても守る」
肩をそっと抱き寄せられて。視線が絡むとふらふらと酔ったような甘い目眩がした。反射的に目を閉じると、唇に柔らかなものが触れてきた。
「ん……っ」
覚えのある感覚に全身が震える。心地よくて幸せで、離れたくないと思う。彼の腕のなかにずっといたい。
出会った頃より、いっそう彼のことが好きになっている。
「っふ……」
ゆっくりと唇が離れると、今度は間近から見詰められた。
「照れくさいから一日一回しか言わないぞ。未知……愛してる。未知は俺のことを好き?愛してる?」
うん、と頷くだけで精一杯だった。
遥琉さんが照れくさくいんだもの。僕はその何倍も照れくさい。
「顔が真っ赤だ。未知は可愛いな。頼むからこれ以上惚れさせないでくれ」
フフッと微かに笑うと、二度目のキスが唇に触てきた。
「ようやくフーと奈椰と三人で静かに暮らせると思ったのに……何でいまさら」
彼から一通り説明を受けたのち鳥飼さんは悔しさを滲ませて唇を噛み締めた。
「森崎は?狙われているならヤツもだろう?」
「森崎が九鬼総業の構成員だったことを知る者のほうが少ないんじゃないかな?ほとんど鷲崎組にいたからな」
「それから良かった。久弥とやっと両想いになれたんだ。森崎には幸せになってほしいんだ」
鳥飼さんが安心したような表情を見せた。
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