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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「深夜一時にドンドンと戸を叩かれて何事かと思ったぞ。たいした怪我でなくて良かった」 「すみません先生。治療代はちゃんと払うので請求してください」 鳥飼さんが平蜘蛛のように謝っていた。 「おめさんに昔世話になったと言われてな半信半疑だったんだ。でも卯月さんの名刺を見せられて騙されもいいかと開き直った。治療代は寿から預かってあるから心配するな」 縁側に腰かけてお茶を飲みながら談笑する度会さんと上澤先生。日付が変わる直前にこんなことがあったんだと上澤先生が度会さんに話して、すぐに鳥飼さんが呼ばれた。 「会長必ず返しますので」 腰を九の字に曲げて頭を下げる鳥飼さん。自由診察になるから治療代は全額自己負担になる。だから三人分ともなると相当な額になる。その時、パパ~~と奈椰ちゃんがニコニコの笑顔で走ってきた。 「奈椰もずいぶんと早起きだな。じぃじの膝においで」 度会さんが膝をぽんぽんと軽く叩くと奈椰ちゃんはペコリと上澤先生に挨拶をしてから度会さんの膝の上にちょこんと座った。 「ちゃんと挨拶が出来て偉いな」 上澤先生が奈椰ちゃんの頭を撫でると前歯を見せながらキャキャと笑っていた。 「こんなにめんごいのに我が子を殺める親がいるんだもんな。奈梛ちゃんは鳥飼とフーに引き取られて良かった。二人ともいいパパしているようで安心した」 「そんなことないです」 嬉しいことを言われて照れて頭を掻く鳥飼さん。

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