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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「ねえさんに気を遣わせてしまってすみません」 「僕のほうこそヤスさんの気持ちを知っているのにごめんなさい」 「謝らなくていいです。デートの約束はずいぶん前にしたことですし、その約束があったからこそ兄貴は生きる糧になったんです。オヤジからりんりんたちの話しを聞きました。山龍らは莫を追いかけて新潟に向かったようです。まんまと逃げられました」 「莫さんは国井さんを諦めていないような気がします」 「一度狙った獲物をそうやすやすと逃がしませんよ。顔を見られているならなおさら国井が隠れている場所を見付けて口封じのために殺そうとするはずです」 「フ―さんが側についているから心配ないと遥琉さんには言われました。それでも心配で何も手につかなくて」 「ねえさんの気持ち、よく分かります。俺もそうなんで」 ヤスさんがようやく笑顔を見せてくれた。良かったいつものヤスさんに戻ってくれて。 「ねえさん、さっきから気になっているんですが大事そうに抱えているその紙袋は?」 「これはその……ヤスさんにプレゼントです」 両手で抱えていた紙袋を差し出した。 「え?俺にですか?オヤジじゃなくて?」 ヤスさんの声が裏返った。

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