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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
緊張した面持ちで扉の前に立つフ―さん。
1、2、3とカウントしたのち扉を開けると、
「あら、どうも~~開けてもらって」
間の抜けた声と共に病室に入ってきたのは山龍《シャンロン》さんその人だった。
「お初にお目にかかります山に難しいほうの龍と書いて山龍です。以後お見知りおきを。あれ?寝てる?」
関係者以外面会謝絶。絶対安静。病室内はお静かに。と書かれた紙を差し出すフ―さん。
「おぃ、近すぎて見えんわ。それとその物騒なものをしまえ」
二人のやり取りを国井さんは布団のなかで黙って聞いていた。
「もしかしてさぁ、彼から聞いた?そうか……」
ため息をつく山龍さん。
死神の戦闘員か?はじめて聞く名前だ。
名前からして中国人。日本語が上手だ。
どんな男なのか一目でいい。見てみたい。
興味がわいた国井さんは布団の隙間からチラッと山龍さんの顔を見上げた。
ぱっと目があった。
まずい、慌てて顔を逸らそうとしたけど、がばっと布団をはがされ、
「あれま、青空の言う通りかぁいい~~」
パチンと両手を叩く大男にただただ圧倒される国井さん。
「既婚者でなかったから口説いていた。改めて山龍《シャンロン》です」
ベットの上に乗ると、目と鼻の距離まで国井さんにぐいぐいと迫る山龍さん。
「あれれ、もしかしてさぁ、緊張してる?」
上から見詰められ国井さんは思わず視線を逸らした。一体なんなんだコイツは。一見するとチャラチャラして軽そうに見える。でも目付きは獲物を狙う猛禽類のごとく鋭くて、ヘラヘラしているわりにはまったく隙がない。
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