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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「ちょっとりんりん。どういうことなの?説明してちょうだい」
目尻を険しく吊り上げて拳を震わせて怒るチカちゃん。怒りにかられて我を忘れていた。
「本当は貴方も日本人なんでしょう?日本語が話せるのになんで話せないフリをするの?黙ってないで何か言ったらどうなの?」
「チカ、落ち着け」
騒ぎを聞き付けた彼がすぐに飛んで来てくれた。
「子どもたちが怯えている」
彼のその言葉にハっとして我に返るチカちゃん。
「チカが怒るのも無理はない。俺も組のみんなも頭に来てる」
「ゴメンねハルお兄ちゃん。一太も怖がらせてゴメンね」
しゃがみこみ目を潤ませ震える一太の肩を抱き締めるチカちゃん。
「アタシね、大山さんから電話をもらったよ。退職する前日に。僻地の交番勤務か、仕事が他の部署より多い交通課か、どちらかを選べって上司に迫られたそうよ。大山さんは上司や上層部のやり方に失望して退職を選んだって。俺がいなくなったら国井と甲崎が目をつけられるだろう。だから覚悟しておけって。大山さん、ハルお兄ちゃんと未知に会えて良かった、そう話していたわ。二人と話しをしていると悩んでモヤモヤしていた気持ちがすっと消えるんだって」
りんりんさんが沈痛な面持ちでチカちゃんの肩にそっと手を置いた。ごめんなさいと言ってるみたいだった。
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