4044 / 4045
番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「真面目なツラで何を言い出すかと思ったら……」
伊澤さんがやれやれとため息をつきながら額に手を置いた。自ら墓穴を掘るとは。ヤスがいたら間違いなく流血沙汰だぞ。天然なのかわざとなのか。
「いやな、このまま使い捨ての駒で終わるのが勿体ないと思ってな。石山も幹部たちも顎で若いのをこき使い、人使いがかなり荒いと聞いたからな。もし違っていたら聞き流してくれ。おめさんのこの体はおめさんのものだ。石山らに好き勝手に利用されるためにあるじゃねぇ。まぁ、せいぜい体を大事にしろ。おめさんたちもだぞ」
弓削さんが男性の肩をぽんと軽く叩いた。
弓削さんは薬物の匂いを嗅ぎとっていた。煙草の匂いで誤魔化そうとしていたのだろうけど、二人の目を誤魔化すことは出来ない。
「おぃ大変だ!」
ハイブランドのグレーのス―ツを着た大柄の男が駆け込んできた。
「Princess Barに警察が来た。急いで店を閉めろ!ボサッとすんな!」
男たちが慌てふためきながら大急いで店に戻っていった。
「おぃ、待て」
男が伊澤さんに声をかけた。
「どこかで会ったような気がするんだが」
「そうか?気のせいだろう」
「気のせいじゃない」
男が伊澤さんの顔をじっと見つめた。
ともだちにシェアしよう!

