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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「真面目なツラで何を言い出すかと思ったら……」 伊澤さんがやれやれとため息をつきながら額に手を置いた。自ら墓穴を掘るとは。ヤスがいたら間違いなく流血沙汰だぞ。天然なのかわざとなのか。 「いやな、このまま使い捨ての駒で終わるのが勿体ないと思ってな。石山も幹部たちも顎で若いのをこき使い、人使いがかなり荒いと聞いたからな。もし違っていたら聞き流してくれ。おめさんのこの体はおめさんのものだ。石山らに好き勝手に利用されるためにあるじゃねぇ。まぁ、せいぜい体を大事にしろ。おめさんたちもだぞ」 弓削さんが男性の肩をぽんと軽く叩いた。 弓削さんは薬物の匂いを嗅ぎとっていた。煙草の匂いで誤魔化そうとしていたのだろうけど、二人の目を誤魔化すことは出来ない。 「おぃ大変だ!」 ハイブランドのグレーのス―ツを着た大柄の男が駆け込んできた。 「Princess Barに警察が来た。急いで店を閉めろ!ボサッとすんな!」 男たちが慌てふためきながら大急いで店に戻っていった。 「おぃ、待て」 男が伊澤さんに声をかけた。 「どこかで会ったような気がするんだが」 「そうか?気のせいだろう」 「気のせいじゃない」 男が伊澤さんの顔をじっと見つめた。

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