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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「もしかしてマル暴の……」
「あぁ、久し振りだな」
「俺のことを覚えているんですか?」
「当たり前だろ。いつ出所してきたんだ?チヨミさんに会ったのか?」
「いや、その……」
言葉を濁す男。
「今度こそ足を洗ってまっとうな仕事につくんじゃなかったのか?チヨミさん、余命幾ばくもないんだ。最後にひと目でいいから会ってこい」
「母とは縁を切りましたから」
「今の今まで迷惑を散々かけてきて。いまさら会わせる顔がないとか考えているんだろ?親はな何年経っても子どもが可愛いもんなんだぞ」
男がすっかり黙り込んでしまった。
「兄貴」
さっきの男性が男を呼んだ。
「おぅ、今行く」
伊澤さんに軽く頭を下げて男がビルの中に入っていった。
「知り合いですか?」
「あぁ、ちょっとな。このことは根岸に内緒にしておいてくれ。アイツ、俺が他の男と挨拶するだけですぐに焼きもちを妬くんだから。あやまったなぁ」
「分かってますよ」
弓削さんがクスクスと笑った。
「アイツ、もしかして九鬼総業の構成員ですか?」
「さすが弓削。記憶力バケモノとは聞いていたが、よく覚えていたな」
「本部から送られてきた要注意人物の写真や手配書の写真を片っ端から頭のなかに叩き込んでいたんですよ。たまに一緒に写り込んでいる舎弟も何者か調べました。ソイツらがいつなんどきねえさんに害をなすかも知れないじゃないですか」
「へぇ~~たいしたもんだ」
伊澤さんが舌を巻いた。
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