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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「伊澤さん、様子を見てきます」
「一人で大丈夫か?」
「はい。代行を呼んだので来たらお願いします」
「おぅ、任せろ」
右手をあげる伊澤さん。
「なんでおめさんらがこだ所さいんだ?てかいつからここにいんだ?」
店を出た弓削さんを待っていたのはヤスさんと佐治さんとミツオさんだった。
「それは兄貴が……」
「ミツオ、余計なことは喋るな」
ヤスさんがピシャリと言った。
「なるべく目立たないようにチカを守れってオヤジに言われたっておめさんに言ったべした」
「言いました。しかとこの耳で聞きました。でも兄貴を心配しては駄目なんですか?兄貴は退院したばっかじゃないですか?まだ本調子でないのに。何かあってからでは遅いです」
「そうだな。おめさんの言う通りだ」
「分かればいいです。分かれば」
それまで強張っていたヤスさんの表情がようやく和らいだ。
「俺の目のほうがアイツより何倍も綺麗なのに。マジでムカつく」
小さな声でぼそっと呟くヤスさん。
「なんか言ったか?」
「いえ、独り言です」
頭を振りニコッと爽やかに笑うヤスさん。
サツに捕まりそうになり裏口から慌てて逃げ出したあの男に難癖をつけて裏路地に連れ込みボコボコにしてきたと、佐治さんもミツオさんも口が裂けても言えなかった。ヤス兄貴ほど焼きもちやきで拗らせたらめんどくさい男はいないのに。弓削兄貴、いい加減気付いてくださいよ。隣にいる天使面したソイツが一番ヤバイということに。
佐治さんとミツオさんの気苦労は尽きそうもなかった。
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