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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「そうか、ヤスが」
佐治さんから送信されてきたメールを読み終えた彼がクククと愉しそうに笑いだした。
「ヤスさんがどうかしたの?」
「サツが追っていた違法薬物の売人の逮捕に協力したそうだ」
「ヤス兄貴がボコボコにしたのは罪にならないんですか?」
玲士さんがふとそんな疑問を投げ掛けた。
「正当防衛だ。先に手を出してきたのは向こうだ。目がイカれたヤツが突然飛び掛かってきて殴ってきたから身の危険を感じてやり返しただけのこと」
「その説明で納得しますか?」
「相手がまともな状態なら無理だな。でもソイツはコウナン商事で電話番をしていた。つまり神政会の関係者だ。禁止されている客引き行為をしていた。未成年なのに飲酒と喫煙、それに薬物も。弓削と伊澤さんに殴りかかったのが運の尽きだ。一番怒らせてはいけない人を怒らせた。バチが当たったんだ」
「弓削さんと伊澤さんを知らないなんてびっくりです。敵対する相手の組で注意すべき人は、誰と誰だって普通教えませんか?のちのちめんどくさいことになるから絶対にコイツだけには関わるなって、ヤス兄貴と佐治兄貴から口酸っぱく言われましたよ」
「それに俺も入っているか?」
「へ?」
一瞬ぽかーんとする玲士さん。
「だって俺もめんどくさいだろ?根に持つし、口喧しいし、ウザイだろ?」
「そんなことないです。お義父さん……じゃなくてオヤジ」
失言に気付いたときは後の祭りだった。
「お義父さんか。あながち間違ってないな」
彼がくすくすと笑いだした。
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