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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「何に苛立ってんだ?」 「苛立ってませんよ」 冷静を装いにこりと笑む柚原さん。 「父親代わりの弓削を弟分に嫁に出すんだ。色々と思うことがあるわな」 「ヤスはまだまだ半人前です。弓削を嫁にしたいなど100年早い」 「おめさんは相変わらず若いのには厳しいな。容赦がないな。でもそれがおめさんらしい」 伊澤さんがクククと笑った。 「あら、珍しい組み合わせね。朝から湿っぽい話をしていたらテンションただ下がりじゃないの?」 白いTシャツにジーンズというラフな格好でチカちゃんが姿を見せた。 「そろそろ出掛けるのか?」 「うん。でもダーリンのことが心配だからすぐ帰ってくるけどね。オッサンとさしで飲み明かす、溜まりに溜まった愚痴を聞いてもらう、この二つがまだだから」 ニカッと笑うチカちゃん。 「若い頃と比べて呑めなくなった。今は嗜む程度だ。俺より会長のほうがいいじゃないか?」 「寿さんとはこの前呑んだわ。帰省してもタイミングが合わなくて。なかなかオヤッサンと会えないんだもの。だから今回はオヤッサンと会えたからすごくラッキーだった」 「ずいぶんと嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか」 「お世辞じゃなくて、本心だからね」 「分かってるよ。気を付けて帰るんだぞ。昨日の今日だ。一人で大丈夫か?」 「ハチが送ってくれることになったの。青空と飯坂に行く用事があるみたい」 「そうか。俺も行こうかな?青空の祖父母に挨拶がまだだから、東京に行く前に会いに行こうとは思ってはいたんだ。根岸と二人で挨拶に行くのが筋だろうが……」 「会いたいときに会いに行かないと次いつになるか分からない。会ってきたらどうだ?」 彼が伊澤さんの背中をそっと押した。

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