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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「もっと遊んでくれって目が訴えているぞ。おめさんも千里と同じで声がデカイんだ。こうなるのが分かっているだろう?」
「だから、ゴメンねってさっきから謝っているでしょう」
申し訳なさそうに両手を合わせるチカちゃん。
あら、ひまちゃん、お見送りしてくれるの?嬉しいー!いい子にしててね。バイバイ~~!玄関を出るとき大きな声でそう言いながらブンブンと手を大きく振ったものだから、あっという間に太惺と心望に見付かってしまった。
チカちゃんが帰ることにすぐに気付いたのか足にぎゅっとしがみつく二人。
「大惺くん、心望ちゃん、ちゃんとご飯を食べないと大きくなれないぞ。チカお姉さんにバイバイしてご飯を食べてこい」
伊澤さんが前屈みになり笑顔で二人に声をかけ、大きな手で頭をぽんぽんと優しく撫でた。それでも頑なにいやいやを繰り返す二人。
一丁前に焼きもちを妬くのも頑固なところもオヤジにそっくりだ。ことの成り行きを静かに見ていた佐治さんが二人の前にしゃがみこみ両手を差し出した。
「たいくん、ここちゃん、お兄ちゃんと一緒に戻ろう」
何か言いたげな瞳で佐治さんをじっと見つめる太惺と心望。
「俺では役不足だってだろ?今ならもれなく紗智がついてくるぞ。さぁ~どうする?。二人とも紗智のことが好きだもんな」
たまたま偶然近くにいた紗智さんの名前を出すと、
「勝手に決めないでよ。これから洗濯物を干すんだから」
不機嫌そうな声が返ってきた。
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