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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「柚原さんは大丈夫なんですか?」
「俺はこれを着るから大丈夫だ」
猟友会のオレンジのベストを見せる柚原さん。ちょうどそこへ仲間が軽バンで柚原さんを迎えに来た。
「あとは上手い具合に話しを合わせるから」
「了解です」
腰を九の字に曲げて頭を下げるミツオさん。
「オヤジといい兄貴たちといい伊澤さんといい柚原さんといい、考えてみたらみんな強い人ばっかなんだよな。やっぱスゲエわ、うちの組」
「なんか言ったか?」
「な、なんでもないです。独り言です」
ギクッとするミツオさん。逃げるようにそそくさと家に戻った。
ナイフを握ったまま両手を縛られて道端にうずくまる男たちに困惑の表情を浮かべる警察官たち。
「俺らただの通りすがりの者たちだ。待ち合わせ場所に来たらこうなっていた。だよな、柚さんよ」
ハンドルを握る源さんが後部座席に乗り込んだ柚原さんに声をかけた。
「あぁ」
帽子を目深に被り極力警察官たちと目を合わせないようにして小さく頷いた。
「そうですか。若い女性と六十歳過ぎの男性が複数の男性に襲われ車に連れ込まれそうになっているという通報がありましてね」
「こんな真っ昼間に人を浚うなんて。なんとも物騒な世の中になったもんだ。俺らそろそろ行ってもいいですか?」
「はい。足止めをしてしまいすみません」
源さんが運転手席の窓を閉めた。
ふと窓の外を見ると、チカちゃんたちを襲った男たちの仲間が現場に戻っていた。そのことに警察官たちはまだ気付いていない。
胸騒ぎがする。ミツオさんが無事に戻れたか心配になった柚原さん。急いで鞠家さんに電話を掛けた。
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