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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「アタシが言うわけないでしょう。そもそも根岸さんの携帯番号を知らないもの。電話に一度くらい出てあげたら?おやっさんの声を聞いたら安心するはずよ」 「それは分かっているんだが……」 無意識に頬を触る伊澤さん。男たちと揉み合っているときにナイフの刃先が頬をかすめた。 「根岸がこれを見たら間違いなくすっ飛んでくる。俺はてっきり避けきれたと思ったんだが……若い時みたく体が思うように動かなくなった。年は取りたくないな」 苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。 「ハチ、電話だ」 「誰からだ?」 青空さんがウエストポーチから携帯電話を取り出した。 「根岸だ。彼氏が出ないからハチに掛けて寄越したんだろう」 「代わりに出てくれないか?」 「おぅ、任せろ」 青空さんがスピーカーに切り替えた。 ーハチか?伊澤が怪我をしたと聞いた。怪我の程度はどのくらいだ?大丈夫なのか?電話に出れないくらい重傷なのか?ー 切羽詰まった声で矢継ぎ早に質問されて、 「ハチ、俺はどう答えたらいいんだ?」 青空さんが返答に困り蜂谷さんに助けを求めた。 「この先のスマートインターチェンジ付近に熊が出たみたいで通行止めになっているので次のインタージェンジまで下で行きます」 「柚原大忙しだな」 「ほぼ毎日のように行政から連絡があると話していました。それに罠に熊や猪がかかったとハンター仲間からしょっちゅう連絡が来るらしいです」 「そうか、柚原は若いから頼りにされているんだろう」 「はい。引っ張りだこみたいです」 蜂谷さんと伊澤さんがそんな風に他愛もない会話を交わしていたら青空さんが、 「ハチ、検問だ」 ボソリと呟いた。

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