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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「そう言えば柚原と同じ指をしていた」 「同じ指、ですか?」 「あぁ。トリガーガードに触れることが多い中指側面が厚くなることがある。マガジンに弾を装填する作業を繰り返すことにより親指の腹が厚くなることがあるって兄から聞いたことはないか?」 「兄は仕事の話しはほとんどしません。千里さんやオヤジの話しばかりです」 「甲崎が兄貴の話しを?それ詳しく聞かせてもらえるか?」 「いや、たいしたことはないですよ。世間話というか、なんというか……の、信孝さん、ちょっと近いです、顔」 ぐいぐいとそれこそ目と鼻の距離まで信孝さんの顔が近付いてきて。至近距離でじっと見詰められて、しどろもどろになる玲士さん。 「変な話しはしていませんよ」 「千里を愛してやまないあの甲崎がなんで俺の兄貴の話しをしているのがただ単に気に食わないだけだ。わざわざ兄貴の話しをしなくても甲崎のまわりには同世代の裕貴と蒼生がいるだろうに」 不機嫌そうに眉をしかめる信孝さん。 玲士さんは甲崎さんが言っていたことをふと思い出した。信孝は俺が卯月のことを遥琉と名前で呼ぶのをすごく嫌がる。そのくらい遥琉を一人占めにしたいんだろうよ。だから卯月と二人きりのときでしか名前で呼ぶことが出来ない。なんでこんな肝心なことをすっかり忘れていたんだろう。これはまずいんじゃないか。顔面蒼白になった。

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