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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「そんなに畏まらなくていいのに。呼び止めて悪かった。これを渡そうかと思って、それで声を掛けたんだ」
信孝さんはから手紙を取り出すと、佐治さんに差し出した。
「三日前に出張で栃木のU市に行ってきたんだ。鷲崎組に挨拶がてら寄ったら渋川がいて、それでこれを頼まれた」
「ずいぶんと大きなハートですね」
「それほど佐治を愛しているってことだろ?」
「それは分かるんですけどね……」
はぁ~とため息をつきながら手紙を受けとる佐治さん。
「熱烈に口説いている最中だから、変な虫が近寄らないようにちゃんと見ていてくれって頼まれてさすがの俺でも返答に困ったぞ」
「それは大変失礼しました」
「また二週間後にU市に出張に行くから、渋川に会ってきたらどうだ?ヤスの許可はもらってあるから心配することはない」
「ヤス兄貴に何をどう説明したんですか?」
「何をって、そのままだ。余計だったか?」
思いもよらない展開にただただ困惑する佐治さんを信孝さんは愉しそうに眺めていた。
「信孝さん、すごく楽しそうですね」
「楽しいよ。今まで苦労してきたんだ。佐治とヤスには誰よりも幸せになってもらいたいからな」
佐治さんに恨めしそうに睨み返されても信孝さんは気にすることなく飄々としていた。
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