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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「ラブラブなのは分かりますが、泣いている子どもの前ではご遠慮願いますか?」 「悪い、悪い」 今度は橘さんの苛立った声が聞こえてきた。 「優輝、気分転換に散歩しながらコンビニエンスストアに行くか?」 橘さんと手を繋ぎ泣きじゃくる優輝くんに優しく声をかける彼。 「そうやって一人だけ依怙贔屓して、甘やかすから。だから……」 「そうすぐツンツンすんな。俺には俺なりの考え方がある」 「遥琉がそう言うなら分かりました。任せます」 「実はなちょっとした知り合いと待ち合わせをしているんだ」 「だぁれ?一太くんパパのお友だち?」 「あぁ、そうだ。優輝、K市を拠点に活躍するプロバスケットボールの選手に前に手紙を書かなかったか?」 「うん。書いた。え?もしかして……」 すぐにぴたりと泣き止んで、目をキラキラと輝かせる優輝くん。 「残念ながら本人じゃないが彼の関係者から連絡をもらったんだ。だから会いにいこうと思ってな」 「行く。行きたい。でも……」 優輝くんが橘さんの顔色を伺うようにチラッと見上げた。 「一太くんたちのことは気にせずにいってらっしゃい」 「ありがとうままたん」 にっこりっと微笑むと手を離して、自分から彼の手を握った。

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