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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「一太くんのパパってやっぱりカッコいい!」
めぐみちゃんが手を叩きキラキラと目を輝かせた。
「だってね、一太くんのパパの背中がね、黙っておれに付いてこいって言ってるんだもの。いちいち言わなくてもほら見て」
エプロンを脱いで彼のあとを追いかけようとしたヤスさん。俺が行く。ちょっと休め。そう声を掛けたのは伊澤さんだった。
「オヤジには専属の弾よけがいない。たいがいカシラや兄貴たちがオヤジを守っているからな。伊澤さんがいれば鬼に金棒だ」
「さじさんもね」
「嬉しいことを言ってるくれるじゃないか。褒めても何も出ないぞ」
「うん、分かってる」
ニコニコと笑うめぐみちゃん。
「さじさん」
一太が何かを感じて自転車から急いでおりた。
「いい子のみんなは家に入る時間だ。ミツオ、悪いが自転車を片付けるから手伝ってくれ」
「了解しました」
ちょうど家のまわりをパトロールしていたミツオさんたちが戻ってきた。
「ねえさん、橘さん、二人をお願いします。すみませんが会長を呼んで来てください。招かざる客が来ました。そう言えば分かります」
「分かりました」
門扉を開けて一太とめぐみちゃんを先に入れてからチラッと後ろを見るとさっきまで気配すらなかったのに。いつの間にか一台のパトカーが停まっていた。彼が留守になるのを虎視眈々と狙っていたのかも知れない。そう思うと底知れぬ恐怖に襲われた。
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