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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「手塚さんや、うちの若いのを茶化さないでくれ」
度会さんがふらりと現れた。
「度会会長ご無沙汰しております」
背筋をぴんと伸ばし姿勢をただして頭を下げる手塚さん。
「うちと敵対関係にある宇賀神組の若いのがうすらかすらしていたらよくない噂が立つぞ」
「別に構いませんよ。そもそも私が宇賀神組の構成員だと知っている人は少ないですからね。人見知りですし、そんなに顔が広くないので」
「よく言うぜ、商売上手な金庫番の癖に。相変わらずおもしろい男だ」
ゲラゲラと声を出して豪快に笑う渡会さん。
「生憎卯月は留守だ。代わりに用件を聞くぞ。それともこのまま待っているか?」
「私はどちらでも構いません。佐治さんが話し相手になってくれるならいつまでも待てますが」
妙に熱っぽい視線を向けられてドキッとする佐治さん。
「あ、そ、そういえばあの二人は?ほら手塚さんが連れて帰った」
このまま手塚さんのペースに乗せられたら収拾がつかなくなると慌てて話題を変えた。
「それがですね」
手塚さんはそこで言葉を止めるとはぁ~と深いため息をついた。
「さてはフラれたか。色恋沙汰に関しては百連練磨、モテ男で有名な手塚さんでもフラれることがあるんだな」
渡会さんがにやりと笑うと、
「また噂がひとり歩きしているんですね」
手塚さんが困ったような顔をした。
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