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番外編国井さん、熱烈に口説かれる
「手塚さん、もしかして貴方も強い男が好きなんですか?貴方の一番身近にいるような気もしますが」
「組長代理は佐治さん以外は眼中にありません。残念ながらいないんですよ、うちの組には。それに比べ菱沼組には……いいですよね、選り取り見取りで。羨ましいです」
あたりをチラチラと見る手塚さん。
手塚さんの視線の先にいたのはミツオさんだった。
「彼、ミツオさんでしたっけ?まだ恋人がいませんでしよね?」
ギクッとして振り返るミツオさん。触らぬ変態に祟りなし。このまま気づかないフリをしてやり過ごそう。そう思っていたのに。
「少しだけ席を外します」
手塚さんが立ち上がりミツオさんのところに向かおうとしたら、
「あのねミツオさんはだめなんだ。だからちがう人にしてください」
どこからか一太が走ってきて。元気よく「こんにちは」と挨拶をすると両手で大きなバッテンマークを作り、ミツオさんの手をむんずと掴み広間から連れ出した。
「一太坊っちゃん助けていただきありがとうございます。一番危ない男に危うく捕まるところでした」
ぺこりと頭を下げるミツオさん。
「だってたいくんとここちゃんがミツオさんがいないって泣くから。ぼくもミツオさんがいなくなったらさみしいもの」
「一太坊っちゃんがそこまで俺のことを大事に思っていてくれていたなんて。ほんとうに嬉しいです。一生坊っちゃんについていきます」
ミツオさんの迫力に面食らいながら頷く一太。
「一太くんに一本取られましたね」
「すみません。うちの子が余計なことを……」
謝ると、
「前に会った時よりも大人になりましたね。将来がとても楽しみです」
手塚さんが愉しそうに声を出して笑い出した。
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