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番外編 災難続きの信孝さん
「斎藤さんこの前はありがとうございました」
「卯月さんを騙る偽者は断固として許せませんからね。お役に立てて良かったです」
にっこりと微笑む斎藤さん。
「結婚式は挙げないんですか?」
橘さんの何気ない質問にご飯を食べていた斎藤さんはゴホゴホとむせり、慌てふためきながらコップの麦茶を一気に飲み干した。
「口では恥ずかしいとか言っていても結婚式は一生に一度きりですからね。遥琉は得意中の得意ですよ。アットホームな結婚式をプロデュースするのは。実績もありますしね。一度遥琉と話してみたらどうですか?」
「ただてさえ忙しいのに。卯月さんの手を煩わせるわけにはいきません」
「うぬめ祭りが終われば一段落つくはずですよ」
「ではお言葉に甘えて卯月さんに話してみます」
「結婚式楽しみにしていますね」
「僕も楽しみにしています」
思わず手を挙げると、
「未知さんと橘さんに出会えて本当に良かったです」
不安な気持ちが吹き飛んだのか斎藤さんの表情がぱぁっと一瞬で明るくなった。
斎藤さんが来ていると若い衆に聞いたのか玲士さんが顔を出した。
「玲士さん、久し振りです」
「昨日も会っただろ?」
「えっ?そうでしたっけ?」
「挨拶して、立ち話をしたはずだ」
斎藤さんが不思議そうに首をかしげた。
「オヤジから最近物忘れがひどいのは疲れすぎだって言われなかったか?ストレスが溜まっていたり、栄養バランスの乱れた食生活や過労、寝不足が続くと、集中力が低下して物忘れが多くなるから、栄養のある食事と十分な休息をとるようにって言われただろ?仕事が忙しいのは分かる。新婚だから寝不足なものなのも分かる」
「新婚って……」
斎藤さんの顔が赤くなった。
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