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番外編災難続きの信孝さん
「間違っていないだろう?」
「玲士さんの言う通り。反論の余地もありません。玲士さんは亜優さんと二人きりで暮らそうとは思わないんですか?」
「それが不思議と思わない。亜優も兄弟の側から離れたくないと言っているし。今でなくても二人きりで暮らしたくなったら暮らせばいいだけだし。なるようにしかならないだろ?」
「そうですよね。玲士さんの話しはためになります。ためだけに」
「全然面白くもなんともない」
白けた表情をする玲士さん。
斎藤さんがクククと愉しそうに笑いだした。
玲士さんの飾らない実直な人柄なのかな?斎藤さんとも吉村さんともすぐに意気投合した。今では笑いながら冗談を言い合える仲だ。
「またカドタさん絡みですか?」
「あぁ」
深いため息をつく斎藤さん。
竜崎さんには先見の明がある。吉柳組と袂を分かつ決断をしたからこそ、竜崎組は巻き込まれずに済んだ。そう彼が話していたことをふと思い出した。
「玲士さんはずっと生活保護に関わる仕事をされていたんですよね?」
「藪から棒にどうした?」
「なぜ辞めたのかなとふと思ったんです」
「理想と現実のギャップに心が折れたんだと思う。仕事に向いていないというのは自分が一番分かっていた。でもそれをどうしても認めたくないもう一人の自分もいたのも事実だ。何のために生きているのか分からなくなってきたんだ」
「かなり悩んだんですね」
「いや、それほど悩んではいない。ちょうど龍一家から熱烈ラブコールをもらっていたからわりかし早かった」
あっけらかんとした玲士さんの態度に斎藤さんのほうが驚いていた。
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