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第6話
春side
嫌だと叫ぶ心と、もう離したくないって思う感情と、全てを手放せと、アレは危険だと警告を出す理性。
助けて欲しくなって…。ここには助けてくれる人は居なくて…。実際には助けてくれる人は愛生しかいなくて…、愛生には触れられたくなかった…。触れられたらもう戻れなくなる…。戻りたくなくなる…
「我儘だ。もっと聞かせて、どう思ってる?なんで嫌なの?君の本心は⁇ もっといっぱい欲しいんでしょ?俺にいっぱい愛されたいんでしょ……?俺をもっと欲しがりなよ。君の欲しいもの与えてあげるよ」
「………………ほ、しい…、きみが……、ほしい…。心も、体も、愛情が、欲しい……」
「うん。あげる。こっちおいで…」
僕から少し離れたところで手を広げている彼…。我慢出来なくてその手の中に飛び込んで、これまで感じたことのなかった感情に戸惑った……。
「戸惑ってる⁇ そのうち慣れるよ。俺が教えるんだから、直ぐにそれが当たり前になる。その幸せそうな顔、いいな。唆る…」
「……あっ…」
「ここ、敏感?」
首に手を当てられてビクッとする…。首なんて普段触られないから、くすぐったくて、それでなんか、変な感じがする……
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