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第2話 緋に染まる 2
俺は、緋と頻繁に会うようになった。
週末になると緋の部屋を訪ねる。
インターフォンを鳴らすとすぐにドアが開き、困った顔の緋が顔を出す。
でも、困った顔の目が口元が、微かに弧を描いているのを俺は見逃さなかった。
緋の部屋は、必要最低限の物しかなく、とても殺風景だった。
いつも部屋に入るなり、緋が俺の首に腕を絡めてきた。妖しく笑って薄く開けた唇に、唇を強く押し付けて激しく口内を蹂躙する。
すぐに力が抜けてしまう緋の身体を抱き上げて、ベッドに連れていく。
その間も緋は唇を離さない。何かに焦っているような、必死で縋り付くようなその姿に、愛しさが溢れて堪らなかった。
俺と緋は、相性も良かった。
少しキツいものの、俺の規格外のモノをすんなりと受け入れ、緋は震えながら白濁を飛ばす。何度も何度も震えて飛ばし、時には出さないままにイッてるようだった。
俺も夢中になって、きゅうきゅうと絡みつく襞を押し広げて最奥を突く。一度出してもすぐに回復し、大量の精液を緋の中に注ぎ込んだ。
2人共に疲れ果てて、呼吸を整えながら、腕の中で微睡む緋に聞く。
「なあ、俺のって、規格外にデカいじゃん。おまえ、痛くないの?」
「…初めての時は痛かったよ。だから次からは、僕も蒼も気持ちよくなるように、いっぱい…準備した…」
最後、消え入りそうな声で言う緋がとても可愛くて、瞼にキスを落として囁いた。
「緋…、ありがとな。俺、おまえ以外となんて、もう出来ねーわ」
「僕も、蒼の規格外じゃないと、もう満足しない…」
あまりにも可愛いことを言うから、俺は顔を上げて緋を覗き込んだ。
緋は、寂しい笑顔で俺を見ていた。
俺と過ごす時間が増えるにつれて、緋は、自然と笑うことが増えてきた。
俺は、その笑顔が大好きだ。
だけど、時おり寂しく笑う。瞳の奥に暗い影をたたえて、泣きそうな顔をする。
それを見る度に俺は不安になって、いつか消えてしまうんじゃないかと怖くなって、ますます緋に執着をする。
緋…。おまえの心には何が潜んでる?俺がおまえの不安や痛みを、全部取っぱらってやりたい。
だから、おまえが抱えている物ごと、俺の腕の中へ飛び込んでこい。
全力でおまえを守ってやるから。
そう決意した日から、俺は緋を守っているつもりでいた。だけど実際は、俺が緋に守られていたのかもしれない。
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