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第7話

ーー リーフ side ーー 目を覚ますと例の魔道具を持って頬を染めるイーノがいた。 「イーノ、それは何かな?」 「ごっ、ごめんなさい!! あの、試し撮りって言うか…… でもテントの中は薄暗くてリーフ様の美しさが半分も写し取れなかったって言うか……」 「見せてごらん?」 「は……、い」 水晶板に薄暗く映し出された私の顔。鏡に映る普段の顔と大差なく、目をつぶっている事が見慣れないくらいだった。 「こ……「ごめんなさい! リーフ様の寝顔が綺麗だったから残しておきたくて!!」 「イーノ、これから毎日見る事になるのに?」 「でもどうしてもここに残しておきたくて……」 「イーノがずっと持っているなら良いが後でガナドールに渡すんだろう? それが嫌なんだ」 「それじゃぁ…… お返しする前にどうでも良い絵姿を撮りまくれば!」 「100枚も?」 「えぇと……」 「ほら、もう起きないとならないようだ」 「あ! 手伝わないと!」 ガナドールが何を期待してあれを渡したのか分からないがイーノが熱を出さなくなるために使えないだろうか? ……いや、危険だな。ガナドールの何かを企んだ顔。使う事自体危険だ。 ーー イーノ side ーー リーフ様には叱られたけどリーフ様の寝顔……うっとり。後で見よう。 身支度をして朝食の準備を手伝い、食事をして片付けをしてテントをたたむ。明日はもっと早く起きて食事の準備の前にテントを……って、明日は宿だった。 その次か。 旅は何事もなく進み、次の町に着いた。ガナドール様のお部屋は当然ながら一番いい部屋で、護衛と侍従が泊まる続き部屋があるらしい。でもそっちはエスグリさんに任せてリーフ様はその隣に俺と一緒の部屋を取ってくれた。 ーー リーフ side ーー 町について宿に泊まる。当然だが2人部屋だ。護衛なのでガナドールの続き部屋に泊まるのが本来だがそれはエスグリに任せて隣の部屋をとった。 「ここには風呂がある。一緒に入るかい?」 「とんでもない!」 「では……背中を流してくれるかな?」 「えっ……!?」 「ははは、冗談だ。召使いでもないのに風呂の世話などさせる訳にはいかないな」 身体は浄化するから湯船で温まるだけだ。背中を流す、なんて必要は全くないのだが。 「あ、あのっ! お世話させて下さい!!」 「良いのかな?」 「はい!」 汚れた身体を見せたくはないので先に浄化をして服を脱ぐ。イーノも汚れているだろうと言って服を脱がせた。無駄な肉はそれほど付いていない身体だが比較的まろやかな印象を受けるので触れれば柔らかそうだ。 「髪をまとめて持ち上げて押さえていてくれ。そう。これで髪を留めるんだ。それから背中を洗ってくれ」 「せ、せ、せ、背中……白……すべすべ……腰、細!! し……っ!」 「イーノ、大丈夫か?」 「こっち向いちゃダメです! せっ、背中、洗います」 湯をかけ、泡だてたスポンジで背中を擦る。うなじから背中、腰、と下がって行くうち、背後の動きが止まった。 「イーノ?」 「だいじょぶです! ちょ、ちょっとだけ、その……」 「血が出てるじゃないか! 早く治癒を!」 「きゃーーーー!!」 悲鳴をあげて鼻血を吹き出し、またしても目を回す。その場で治癒と浄化をしてベッドへ運んだ。 「おい! うるさいぞ、何をやってるんだ」 「エスグリか。気にするな」 「……さっきの悲鳴は?」 「イーノだが、今は眠っている。だから気にするな」 「おまえ…… 変態だったのか?」 「答える義理はない」 「あ! おい!!」 扉を閉め、騒ぐエスグリを無視してイーノの様子を見る。 この子は私の背を見て鼻血を出したのか? そして私が振り返ったから身体の前……、いや、胸辺りを見て目を回したのか。寝起きは落ち着いているようだから朝、馴らそう。 私はささやかないたずらの準備をしてベッドに入り、程よい弾力のイーノの臀部を楽しみながら眠った。 ーー イーノ side ーー (リーフ様のうなじ…… きれい…… 背中も腰も…… でも、し、し、し、尻が! ぷにって!! 椅子にぷにって!! 柔らかそうに変形してたよぅぅぅ!! しかも振り返ったらむ、胸が、ぽちって!! うきゃぁぁぁぁ!!) (イーノ……) はぅあっ!! 夢か……。 やばい…… この歳で! 危なかった!! 俺の指舐めた時のリーフ様どエロかった……。 「イーノ、目が覚めたかい?」 「あ、おはようござ…… いぃぃぃ!?」 「どうした?」 「むね……! ふく! はだか!?」 「下着は着けているし男同士だろう? ほら、イーノとおんなじだ」 「おなっ、じ!? おなじ……?」 混乱しながら自分と見比べて、ようやく自分もパンツ一丁と言う事実に気がついた。いや、更に混乱するだけだから!! 「昨日風呂で鼻血を出して倒れたから治癒して寝かせたんだ」 「ありがとう、ございます……?」 「それから下着は履かせたが寝衣がなかったから風邪をひかないように共寝した。……私では不足だったかな?」 「とんでもない! むしろありがたいし崇めたいし……はぁっ!?」 またしても目に入ったリーフ様の胸の飾りに視線が吸い寄せられた。

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