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第9話
家に帰るとお風呂の準備ができていた。
「イーノ、ポーターは従僕ではないのだから嫌な事はきちんと断ってくれて構わない。そしてこれは友人としての誘いだ。今日も共に風呂へ入らないか?」
「……またご迷惑をおかけしてしまいそうなので」
「残念だ……」
リーフ様って何で俺と風呂に入りたがるんだろう? 魔力量の多いエルフは生活魔法くらい何でもできる。だから髪や体を洗うのは洗浄魔法で済むし、湯に浸かるだけなら1人の方がゆったりできるだろう。
……はっ!
実は体に自信があるから俺に自慢したいのかも!! エスグリさんより締まってるけどすらりと長い手足にバランスよく付いた筋肉。
……と、言う事はガン見して良い、って事??? い、いやダメだろう!!
「あの、目のやり場に困るので……」
「イーノになら見て欲しいけど?」
やっぱり見せたいのか!!
……良いの?
気がつけば風呂場にいた。いつのまに!?
清浄魔法できれいにしてもらって湯船に入る。あれ? 同じ方向を向いてたらリーフ様が見えないぞ?
「そんなに恥ずかしいのかい?」
「えぇと……」
「ほら、こっちを向いて」
ひぇぇぇぇ!
ちょっ! まっ!!
向かい合わせで脚を開いて座るのは!
俺には恥ずかし過ぎて!!
タイイクズワリです。
タイイクって何だろう? 前世の記憶か? 全く役に立たないもんだな!
お湯の中でユラユラ揺れるリーフ様の……が見えてる……。『陰茎』とか言うけどそのボリュームは『茎』じゃないだろ! 長いし『幹』が相応しいと思うぞ! いや、身体を幹と思えば枝? でも枝って太いのもあるけど細い印象が強いから違う気がする!!
「そろそろ上がろうか」
どうでもいい考えが頭の中に渦巻いているうちに、立ち上がったリーフ様の裸身が混乱する俺に追い打ちをかけた。真正面、手の届く距離に降臨したご本尊が尊すぎて鼻血を出してひっくり返りました。
しょぼーん……。
ーー リーフ side ーー
またやり過ぎてしまった。
朝、胸を見せた時は平気だったのに、下半身はまだ早いのか。見た目や大きさが違っているとは言え同じ物が付いているのに何故だ?
水気を飛ばしてベッドに運び、観察する。
日に焼けた肌、それより少し濃い色の胸の飾り、髪と同じ色の脇毛と下生え。すね毛は薄く、全体的に肌は滑らかだ。本当に幼い。
……股間の話ではなく。
力なく横たわる陰茎は半分皮を被っているように見える。触れてみたいが……許可なく触れるのは気が引ける。未練を断ち切って下着を履かせ、同じベッドに滑り込んだ。
「イー、ノ……っ! んん! あふ……」
「おはようございます……」
「おはよ、う。んぅっ……!」
「んー……?」
「あっ、はぁ……こんないたずらをして……」
「……!? ご、ごめんなさい!!」
胸を触られた事がない訳でもないが、こんなに感じた事は無かった。……イーノの滑らかな指にしばらくの間撫でさすられ、つままれ、転がされて胸の中心はぷくっと膨らみ、押し上げられた下腹部は朝勃ちと誤解された。
「いったいどんな夢を見てたのかな?」
「……あ、あの……よく覚えてません。でも何故一緒に寝ているのでしょうか?」
「テントで共に寝ていたのが思いの外心安らいだのだ。それで手放し難くて……」
「それじゃあ、これからもずっと?」
「……イーノが嫌ならやめる」
こんな子供じみた言い方をするつもりはなかったのだが。
「嫌じゃないです! でもまた寝ぼけてしまったら……」
「ふふっ、こうなってしまうね」
向かい合わせで横たわったまま私の胸を弄っていた手を取り、膨らんだ部分に触れさせる。……やり過ぎか?
固まっただけのようだから大丈夫だな。
「そろそろ朝食に……!?」
固まっていたイーノが動き、やわやわと私の陰茎を揉み始める。撫でさすり、その刺激で形や大きさを変える私の中心がやがて最終形態になる。
「……すごい、おっきくて熱くて硬い…… はふぅ……」
私を弄びながら色気を含んだため息をつくなど、強請っているとしか思えないが、まず間違いなく無意識だろう。……だが。
「イーノも?」
「へぁ!?」
私のものを触って興奮したようでしっかり勃ち上がっている。今ならば……許されるだろうか?
「私も同じように……、触っていいかな?」
「ぅおあっ!? ほぇ!? さ、さわっ!!」
ベッドの中とは言え、また目を回されては困るので理解が追いつくまで我慢をする。我慢を……。我慢だ!!
「私だってイーノに触れたいと思っているんだよ」
ここに、と軽く指先で触れるとまた目を回しそうになっているのが分かった。今朝はここまでか。
「リーフ様の手が……俺の……おっ!」
先端に光る雫を指で塗りつけるように、ほんの少し擦っただけで白濁が迸った。互いに体を横たえて向かい合っているので私の腹に飛んだそれがベッドに向かって緩やかに流れ落ちる。
イーノの物だと思うと歓びが湧き上がる。
だがイーノは申し訳なく思ったのか謝りながら泣き出してしまった。
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