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第5話
置いて行かれた時、俺だって辛かったのにという言葉は呑み込んだ。奴からの信頼を、手酷い形で裏切ったのは他でもない俺だからだ。
壊れてしまった心が、見た目だけでも此処まで回復する為に、此奴は何度自分自身を殺し続けたのだろうか。
【ただ、後悔をした】
白い包帯が巻かれた太宰の細い腕は、其の上からも判る程に歪んでいた。
もう逃げないと
目を反らさないと
包帯を取れば
皮膚はもう役目を果たしてはいなかった。
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