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①16歳。はじまりは突然で…。
◆第一話◆
「亜瑠兎 、花音 !! お誕生日、おめでとう!!」
パンパンッ!!
けたたましいクラッカーの音と共に、明るい声が部屋中に響く。
今日で俺、篠崎 亜瑠兎 と双子の妹、花音 は16回目の誕生日を迎えた。
いまどき、家族で誕生日会ってどうかと思う。
それは父さんと母さんの性格がものを言うっていうか……。
とにかく! 俺の両親はイベントが大好きなんだ。
だから何かのイベントの時は必ず家にいなければならないわけで……。
まあ、小さい頃はそれでよかった。
愛されてるんだって実感できるから……。
だけどさ? 今の俺たちは16歳になったんだ。
いい加減、家族抜きで誕生日を迎えたいっていうのが本音。
俺たちがそうぼやけば、父さんと母さんはきっと泣くんだろうな……。
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