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④16歳。はじまりは突然で…。

「…………」  それで?  これを俺にどうしろと?  差し出された服を凝視する俺は今、さぞや深々と眉間に皺が刻まれていることだろう。  自分でもよくわかる。  俺がスーツ(これ)だとすると……。  いったい花音の袋には何が入っていたんだろうか。  気になってちらりと花音の様子を窺ってみる。  弧を描いた綺麗な眉が眉間に寄っている。  ――ああ、やっぱり花音も俺と同じリアクションだった。  父さんに貰ったプレゼントの中身が気になった俺は花音の視線の先を見てみる。  そうしたら……はあ?  俺はますます意味がわからなくなった。  純白のレースと小さなリボンがふんだんに縫い付けられ、フリルがたくさん付いているフリフリのワンピースが一着……。  ――いや、そりゃね、黒髪の花音に白は似合うとは思うけどさ、でもこれはまるで……。

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