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⑭16歳。はじまりは突然で…。

 ……ふ~ん。そっか、見合いの相手は俺で決まるのか……そっかそっか……。 「…………」 「…………」 「…………」  ――って、違うだろっ!!  だから勝手に決めるなよっ!! 「ちょっと待てよ3人とも!! おかしいだろ? 俺は男だぞ? でもって相手も男! もしこのことが先方にバレたらどうするんだよ? 華道の家柄なんだろう? いいところのお坊ちゃんなんだろう? マズいんじゃないのか?」 「まあまあ、細かいことは気にしない気にしない。男は諦めも肝心だぞ?」  父さんは怒る俺の肩をポンポンと軽く叩いて(なだ)めてくる。  それがまた俺の神経を逆撫でする。  ――いや、そこは気にするだろう!? 簡単に諦めるなよっ!!  しかも、ぜんっぜん細かくないし!!  根本的なところだ。  というか、気にしようよ父さん!  これはさすがにダメに決まっているだろうがっ!!

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